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大腸炎4 潰瘍性大腸炎の治療

本文中の図の解説方法
  1. 潰瘍性大腸炎 食事療法
  2. 潰瘍性大腸炎 輸液療法
  3. 潰瘍性大腸炎 薬物療法
  4. 潰瘍性大腸炎 顆粒球除去療法
  5. 潰瘍性大腸炎 手術適応
  6. 潰瘍性大腸炎 結腸全摘術

内科治療

治療の原則は内科療法です。軽症は外来治療でも充分ですが、中等症以上で内科治療の反応が悪いときは入院が必要になります。

食事療法

一般的な食事の注意としては、脂肪分や海藻や根菜などをさけ、消化の良い食事をとることです(図1マウス)。下痢がひどいときは、充分に水分をとり脱水をさけます。次に示す薬物療法でも改善がなく、腹痛や下血が続くようなときには、腸の安静を目的に入院、絶食、点滴とします(図2マウス)。

なお、後で記述しているクローン病には 栄養療法としてアミノ酸製剤・成分栄養剤を摂取する、という治療法がありますが 潰瘍性大腸炎では病気の主体が大腸であることから クローン病ほどの厳密な栄養療法は効果が期待できません。

薬物療法

食事だけで改善をみないときは、薬物療法の出番です(図3マウス)。クローン病と同様、最初に使うのはメサラジン(ペンタサ)です。程度の軽い潰瘍性大腸炎はこのクスリのみで、症状が改善し、再燃の予防効果もあります。ペンタサ注腸も直腸炎型の潰瘍性大腸炎に有効です。

同じメサラジンでも ほぼ大腸だけで放出されるように工夫された薬が アサコールです。2012年に総裁に返り咲いた日本の高名な政治家が服用し、「見事に潰瘍性大腸炎を克服した」と喧伝されています。

メサラジンのみで症状が改善しないときはステロイドのプレドニゾロン(プレドニン)を使います。飲み薬以外に直腸から注入したり、静脈へ点滴する方法もあります。症状が改善すれば少しずつ量を減らし、中止します。

免疫抑制剤

ステロイドの反応が悪い難治性の潰瘍性大腸炎の管理にに主に用いられますが、効果が出るまで時間がかかること、貧血などの副作用が多いことから、一般的な治療法ではありません。経口投与以外に緩解導入を早めるために持続で静脈注射を行うこともあります。市中のクリニックや中小病院でなく 薬剤濃度が測定できる施設での治療が望まれます。

白血球(顆粒球)除去療法

薬物療法や輸液療法のみで症状がよくならないときは、血中から活性化した白血球や顆粒球をとりのぞく治療法(図4マウス)がおこなわれます。血液透析と同じしくみで体外に血液を循環させ、フィルターに吸着させるわけです。2001年より潰瘍性大腸炎について保険適応となりました。

外科治療

潰瘍性大腸炎の治療はあくまで内科治療が主になります。どうしても内科治療で反応が悪いときや手術しないと命にかかわるときのみ、手術を考えます。

手術適応

絶対に手術しないといけないのは(図5マウス)、

  1. 重症型で保存療法が無効
  2. 穿孔(腸に穴が開くこと)
  3. 大量出血
  4. 中毒性巨大結腸症(結腸が炎症がひどくなって拡張している状態)
  5. 癌合併あるいは合併疑い

の5つです。また、難治性でステロイドをやめるとすぐ再発する例、前癌病変がある例、小児で発育障害をきたした例でも手術を考えます。

手術術式

手術は結腸をすべてとってしまう方法が一般的(図6マウス)です。緊急手術例では、術前の栄養不良やステロイド服用が原因で、腸の縫合部がつかないおそれがあります。一時的に小腸で人工肛門をおくのが安全です。

緊急手術でなく、待機的に手術がおこなわれるときには、腹腔鏡を利用してできるだけ小さな創で(といっても、結腸全部を取り出すための大きさは必要ですが)手術をする試みもされています。

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