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10th frog in Dec.  師走の蛙 10匹目

師走の蛙とは、「寒ガエル」をもじった古くより伝わる大阪しゃれ言葉。学校に通い出してから医師になっての勤務先まで、北大阪から一歩も出たことがない私、井の中の蛙の独り言です。診療の合間、日々の雑感を(医療に関係ないこともふくめて)綴っていきます。

病診連携とは...

2008 6.4

前の土曜日、阿倍野のホテルで府立成人病センターの病診連携協議会が開かれ、参加してきました。成人病センターは大阪府に11あるがん拠点病院の「元締」です。今月4回にわけて、胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌などの術後化学療法も含めたフォローアップについて議論されます。

病診連携という言葉を聞いたことがある人、少ないと思います。しかし、医療関係の仕事をしている人には、耳にタコができる、というほどの言葉なのです。

「病診連携」の「病」は病院、「診」は診療所や中小病院をさします。つまり、(大)病院と地域の中小医療機関が密接にやっていこう、という話です。当たり前、といえば当たり前の話なのですが。

(大)病院は入院治療に、中小医療機関は外来に比重を置いて、役割分担をしよう、というのがそもそもの趣旨です。大病院に患者が集中するのを避けよう、というのが厚生労働省の思惑です。これを実現するために大病院では、外来患者さんの数を減らしたり、紹介患者の比率をあげないと減点される仕組みが導入されました。

今回は早期肺癌の術後患者を地域の開業医にフォローしてもらおう、という話でした。再発の危険が少ない患者を地域で診てもらい、そうすることでセンターの外来患者を減らしてスタッフの負担を減らそう、ということが眼目です。病院勤務医の疲弊が叫ばれる中、お役に立てるのなら、と思います。

ただ、なによりも患者さんに十分な説明を行い、十分に納得してもらうことが肝要でしょう。「なんやわからんけど、この病院へ行け、と言われた」となりませんように。

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